今なおひっそり白蛇伝説。

「けなしいけ」・・めずらしい名称である。「怪」(け)「無」(なし)池という字があてられたり、「毛」「無」池とあてたり、諸説あるが、いずれにしてもそれぞれの字に沿った言い伝えが残っている。この池は、かつて中川が決壊した際にできた池で白蛇が棲むといわれた。池のかたわらに青龍神社という祠があり、雨乞いの神とされている。

工事のために池の一部を埋め立てようとしたところ、雨が降り続き、お祓いをするとぴたりと雨が止んだ話や、神社が火事になった際に蛇が描かれた巻物だけが無傷で残ったとか、同じ年に近くの新宿(にいじゅく)で長さ15mもの大蛇の模様が路面に現れた話など、地元の新聞を賑わせた奇譚も多々。
「毛無池」とする説では、若い女が陰毛が生えないことを気に病んで池に身を投げたとの伝承にもとづき、青龍神社の御利益のひとつに陰毛が生えるというものもあるとか。

ここに五十年ちかく住んでいる方に話を訊いてみると、いつも言葉に言い現せない気配みたいなもの感じるそうだ。池の面は蓮に厚く覆われており、岸近くだけが地元のへらぶな釣り愛好家による茂刈りで糸を垂らす余地が残されている。

周辺は閑静な住宅地。中川のほとりにあるため、いまでは散策する人がたえない水辺空間となっている。映画『男はつらいよ』の舞台である葛飾柴又や帝釈天、矢切の渡しも近いので、鯉のあらいや鰻をはじめとした川魚料理はぜひ食したい。

(文・写真:市原千尋)

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清流神社のふところにひっそりとたたずむ怪無池。

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地元の釣り師は自転車で通う。


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池の水面にはうっそうと蓮や水草が茂る。かつて一帯にはこんな沼沢がたくさんあった。

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今回の旅のお伴はスカイマン・パイロット。定番カラーのシルバーは落ち着きがあり、どこにでもなじむ。


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京成本線の高砂駅からほど近く、公共交通機関でのアクセスが便利である。今回のもうひとつのお伴は、折りたたみ自転車ブロンプトン。