谷戸のいちばん奥で見つけた小さな池。

大谷戸の堰は、温暖な三浦半島南部、三方を雑木林の小丘陵に囲まれ、谷戸が扇状に開けていく側にある農地を潤す農業用ため池である。
古くから地元の釣り愛好家によって地道な維持管理がなされており、これだけの設備を作り上げてきた努力には頭が下がらずにはいられない。
畑の広がる谷戸のいちばん奥に立地し、周囲は完全に雑木林に囲まれており、ちょっとした秘境のおもむきである。小さな池ながら各所に釣り桟橋をはじめ、固定釣り台が設置されており、歩いては行けないような釣り台にも、細い一本橋で渡ったり、雑木林の崖をつないだ手製の橋をこえていったりと、とにかく楽しい。
切り立った谷間にあるため、どんな強風の日でも穏やかな釣りができ、冬場でも温暖。
水位は年間を通じてほぼ安定しており、マディーな水質で深さは13尺で1本から2本。
良型のへらぶなもいるが、マブナが多い。ジャミはクチボソ。
ごみひとつ落ちていない美しい環境から、地元の釣り師たちが大切にしていることが伺える。明記はされていないものの、底釣り規定がローカルルールとのこと。
また、どうやらこの池の常連はマブナ狙いであるらしく、せっかくへら鮒が釣れても、
「また、へらだ。へらが動いているときは、だめだなあ」
と、嘆きの声。
彼らの本命は大型で引きの強いマブナのようだ。とはいっても、釣り上げているへらぶなも、なかなかのサイズだったが。

(文・写真:市原千尋)

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午前5時過ぎからエサを打ちはじめ、はやこんな時間。このまま時が経つのも忘れて・・、としゃれこみたいところだが、この日は午前9時から近くの現場で客先打合せ。そろそろ片付けをはじめなければ。

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午前5時過ぎからエサを打ちはじめ、はやこんな時間。このまま時が経つのも忘れて・・、としゃれこみたいところだが、この日は午前9時から近くの現場で客先打合せ。そろそろ片付けをはじめなければ。


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日本のゲームフィッシュと呼ばれるへら鮒釣りは、釣り道具も竹や木材を使った和テイストのものが多い。上は針はずし。釣った鮒を水上にあげることなく、素早く釣り針をはずせる。針がはずれたことに気づかず、逃げずにその場でぼんやりしたままの鮒もいる。ぽつんと頭上の木から何か落ちてきた。見るとかわいらしい花だった。

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竿はがまかつ社製の「張月」九尺(2.7m)。現在はカタログ落ちしたモデルだが、タナゴ竿と見まごうばかりの細さが醸し出す粋な雰囲気が好きである。ムク穂先のシャープさと、たおやかに曲がる細身の胴とのバランスがなかなかのもの。


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