2014.9.19

世界遺産を支える、時を止める努力。

 世界遺産・五箇山の菅沼集落は、蛇行した庄川と雪持ち山の斜面に囲まれた猫の額ほどの河岸段丘の上にのっかっている。冬になれば豪雪地帯として完全に雪の中に埋没するだけに、春の訪れまでたくましく生きていく知恵が合掌造りの家屋に詰まっている。

 今でこそ北陸自動車道の恩恵で、真冬でもクルマでアクセスできるようになっているが、かつては雪が降ってしまえば外界から完全に閉ざされた空間になった。古くは流刑の地として囚人を閉じ込めておく役割さえあったそうだ。そのため橋を架けることが許されず、対岸とをつなぐのは葡萄の蔓(つる)で編んだ綱。ここにぶら下げた籠(かご)で行き来するのは、たいへんな危険を伴ったそうだ。

 いま、この場所が閉じ込めているものは、時間である。
 山とダム湖にはさまれた猫の額のような土地に水田と合掌造りの民家。国道から見るとまるでテーマパークのタイムスリップゾーンにも見えるが、ここに根づいて生きる人々と、その暮らしがある。現代的な便利さを追えば景観は失われていくだろう。茅葺きの屋根は材料も入手難で維持管理は多くの困難を伴う。それでも時を止める努力があって今の集落がある。世界遺産認定はそのご褒美かもしれない。

(文・写真:市原千尋)

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世界遺産・五箇山への旅のお伴はエスパイ・アクティブ。いい時計をつけると旅の時間が上質になる気がします。

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裏スケルトンからのぞくムーブメント。個人的には、どこか葛飾北斎を思わせて好きです。



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エスパイアクティブには今回のシルバーのほか、限定モデルなどカラーバリエーションもある。

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上から眺めるとテーマパークのように、時間が凝縮された空間。


yamanaka