2014.8.12

プレステージ・スポーツ クラフツマン

“プレステージ” 威信、名声、傑出を意味し、多くのウォッチメーカーは自社を代表するモデルにこの称号を与える。

ケンテックスの時計の中で唯一、”プレステージ”を冠するモデルがクラフツマンだ。 機能、デザイン、素材、ムーブ・・・、商売上の制約を度外視し、ウォッチのすみずみまでこだわり抜いた、ケンテックスを代表するモデルである。

クラフツマンと言えば、耐磁・耐衝撃構造、軽量で強靱なチタン製ボディ、20年間光り続けるトリチウム管発光システムなど、究極の実用スペックに目を奪われがちではあるが、今回は、そのデザインに注目する。


日本人に向けたベゼルデザイン

スイスなどの有名ブランドのプレステージモデルは、押し出しの強いデザインを採用する場合が多い。 一目でどのブランドのものかがわかる、強い個性のデザインが流行していた。
そんな流行に、橋本憲治は疑問を感じていた。

強い個性と自己主張を良しとする欧米人の感性に向けたデザインが、日本人の感性に本当に合うのか?
かと言って、主張のない保守的で無難なデザインでは、日本のウォッチファンを満足させることはできない。

日本人に向けたプレステージモデルとは・・・、橋本憲治の試行錯誤の日々が続いた。

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2006年クラフツマン開発当時のデザインスケッチ。
様々なベゼルデザインは、橋本憲治の苦闘を物語る。日本人に向けたプレステージモデルのデザインの追求には多くの時間が費やされた。
真ん中のベゼルスケッチが最終案。

日常の生活の中で常に身につけていることができるデザイン、長く利用しても飽きのこないデザインを追求し、 ついにクラフツマンのベゼルデザインは完成した。

日本人の感性に合う落ち着いた円形と、やわらかな八角形を組み合わせ、抑制しつつも、しっかり自己主張するデザイン。 ビジネスからオフまで、あらゆるシーンで”プレステージ”を感じることを目指した。


FUSION 素材の融合

クラフツマンのデザインコンセプトの一つに、FUSION(素材の融合)がある。

これまでケンテックスは、チタン、セラミック、カーボンなど様々な素材を使ったウォッチを開発してきた。 ケンテックスの集大成である25周年記念モデルは、これまで培った素材加工技術を注ぎ込み、新しい美しさ追求する。

二重構造のベゼルは、八角形のブラックのファインセラミックスと、円形のチタンベゼルを組み合わせる。 ファインセラミックスは、ステンレス鋼に比べて約4倍の硬度、10倍の耐摩耗性があり、その比重はステンレス鋼の約半分、チタンと比べても約80%という軽量な超硬材である。また、ダイヤルにはカーボンを採用することを決定。

軽量で強靱というクラフツマンの特長のさらなる進化を、異素材を組み合わせたデザインで実現することを目指した。

クラフツマン 25周年記念モデルの開発は、今、佳境を迎えている。

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初公開! 25周年記念モデルのデザインスケッチ。
八角形と円、セラミックとチタン、異なる形、異なる材質、異なる質感を持つベゼルが、よりクラフツマンの立体感を強調する。
ただし、ファインセラミックスの8角リングには、高い焼結・成形加工技術が必要となり、ケンテックスの技術的なチャレンジは続くことになった。