横須賀に鎮座する記念艦・三笠。

東京湾に面した横須賀の三笠桟橋。ここは、アニメ映画「ラピュタ」の世界観がそのまま降り立ったような景観が話題になっている東京湾唯一の自然島・猿島への渡船が発着する。

この小さな港でひときわ目を引くのが、巨大な戦艦の威容だ。日露戦争の勝敗を決した歴史的海戦である日本海海戦を指揮した旗艦・三笠。まるで束の間の休息をとるために今ここに寄港しているかのような錯覚にとらわれるが、ワシントン軍縮条約の取り決めによって二度と出港ができないよう下甲板以下はコンクリートと土砂で埋められているそうだ。それでも艦首はロシアに向けられ、今なお軍神となってにらみをきかせているのだとまことしやかにささやかれたりもする。

防衛省が管理するところとなった今、三笠は記念艦として一般の観光客も受け入れている。艦内の多くは復元されたものとはいえ、海戦にのぞんだ当時の空気は随所に残る。

さて上の写真。ウォッチの上に見える穴は、海戦の際に敵艦の砲弾に貫かれた装甲。分厚い装甲に斜めから入り込んだ様子がよく分かる。

(文・写真:市原千尋)

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記念館になったとはいえ、どの砲門にも先端には蓋が施されていた。

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主砲の砲身。艦上のものはレプリカでこっちが実物。左の砲弾はロシアのもの。

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主砲二門を据える40口径30cm連装砲塔。最大射程は10km、実用射程6kmで命中率は10パーセント前後。

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艦内の会議室。家具などの調度品の丁寧な作りが印象的。

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上官用のバスタブとトイレ、洗面台は英国製。

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資料館内には、日本連合艦隊の歴代艦船の精巧な模型が並んでいて見応えがある。

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三笠を背に立つ連合艦隊司令官・東郷平八郎の銅像。三笠公園は入場無料で外から三笠を眺めることができる。艦内に入るには入場料が必要。

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右舷砲身の先には猿島。大戦時は東京湾を守る旧日本軍の要塞だった。

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今回の旅のお伴は、海上自衛隊のロゴをダイヤル全面にあしらったJSDFソーラー。艦内の指揮官用調度品の卓上で。