2015.10.6

手に取って、着けてみて、はじめてわかる魅力

ケンテックスが25周年を記念して、その技術の粋をつぎこんだクラフツマン。光の下でゆっくりと動かしてみれば、細部までこだわり尽くし、計算し尽くした設計を感じることができます。ダイヤル部のシャープに切り出された極小パーツは、星屑のように小さくキラキラと輝きます。しっかりと面取りされたエッジやセラミックは、全体がヘアライン仕上げの中でさりげない反射を放ち、抑制の効いた高級感を演出します。

私、ケンテックスマガジン編集部員Aは、自腹でクラフツマンを買ってみました。シルバーかブラックか悩み続けた末、購入したのはシルバーです。実際に使い続けて数カ月経ちましたが、やはり購入前の印象と、購入後の印象は違うものです。実際に着けてみて、あらためて感じるクラフツマンの良さを、皆さんにお伝えしたいと思います。

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ヘアライン加工されたチタンケース・バンドの気品あるたたずまい。しかしエッジ部は余さず繊細な面取りを施され、人の手で磨き抜かれています。ケース部の凹曲面は、柔らかな影が光によって変化します。(画像クリックで拡大)

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歯車を思わせる鋭い竜頭、刀剣のようなシャープな針、オクタゴンセラミックなどのソリッドさが、腕時計としての小ささの中にもハッキリ顕れています。すべては指紋ほどの幅の世界における、精密加工力の賜物。ケースやバンドの面取り部も、角度に応じて繊細さだけではなく力強さを感じさせます。(画像クリックで拡大)

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光の向きに応じて、インデックスや針の側面がキラリと輝きます。ゆっくりと回してみることで、カットされた宝石やホログラムシートのようにじわじわと変化します。角の多い複雑なダイヤル面も、正面光の場合とはまた違った表情を見せます。(画像クリックで拡大)

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周囲がやや暗い場合はこのようになります。完全な闇ならばインデックスや針はトリチウム発光しますが、幾らかの光源がある場合、金属の反射がその存在を強く主張します。(画像クリックで拡大)



ついヘビロテさせてしまう着け心地

デザイン以上にもっとも感心したのが、装着感。手作業で丁寧に面取りされて磨かれているので、袖や肌へのひっかかりがないのです。撫でてみると、その滑らかさにも驚かされます。また、チタン製ゆえに軽いだけでなく、熱伝導率の低さのおかげで着けた瞬間の冷たさがなく、温かく迎えられている感覚があります。

デザイン的にも「オンオフどちらでも通用する」汎用性がありますが、この装着感の良さのため、アクティブな休日であっても他の時計をあまり着けなくなってしまいました。そしてそんなにヘビーローテーションさせても、IP加工やサファイアクリスタルの強靭さのため、全く傷が付きません。普通のステンレスの時計なら細かい傷がどんどんできていくところですが、いつまでも新品同様のままです。購入するまでは、IPメッキって質感としてどうなのか気になっていましたが、その皮膜の薄さのおかげで違和感はまったくありません。チタンとIPメッキは、抜群の組み合わせだと感じました。

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面取り加工のおかげで、袖や肌へのひっかかりがありません。灰白色のニュートラルな色合いは、服の色も選ばないでしょう。(画像クリックで拡大)

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尾錠部もシャープさを感じさせます。本体に比してバンドは細めなので、やや本体側に重心が寄っている印象を受ける代わり、手首を曲げるスポーツをしても負担が少ないです。(画像クリックで拡大)

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バンドは、金属削り出し的な荒々しさと、完璧に加工された精密さを兼ね備えます。幅をやや細めにしたバランスのためか、厚みは実寸としては邪魔にならない薄さなのですが、見た目の印象としては分厚くマッシブ。(画像クリックで拡大)

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見えない裏面もきっちり磨きこまれており、肌に吸い付くようにフィットします。(画像クリックで拡大)



安心の耐久性

表面の傷だけでなく内部の機構についても、耐磁・耐衝撃仕様のため、安心して着けていられます。機械式時計ユーザーは意識的にも無意識にでも、衝撃や磁力を気にするものですが、そのような気がかりがなくなりました。気楽で、とても付き合いやすい時計であると言えます。

国産ハイビートムーブメントの精度も十分で、普段他の機械式ムーブメントは3日に1回ほど時刻合わせをしているのに、クラフツマンは時刻のズレが気にならないまま、1週間以上忘れていたこともありました。

クラフツマンは、ただタフで丈夫なだけの時計でも、単なるファッションアイテムでもない。使い続け、着け続けることができる、常に一緒にいることができる機械式時計です。欠点を言えば、他の時計をする気がなくなることぐらいでしょうか。

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頑強な耐磁・耐衝撃シールドを内蔵しているにもかかわらず薄く、さらにエッジの処理や、綿密に計算されたベゼルやケースの形状もあって、さらにコンパクトに感じられます。(画像クリックで拡大)

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ハニカムの向こうにある軟鉄シールドが、ムーブメントの精度を守ります。また、バンドのコマがガタつきなくピッシリと噛みあいながらも、微妙な曲面が与えられている結果、面取り部の鏡面反射を挟みつつ、柔らかいグラデーションを描き出しているのがわかります。(画像クリックで拡大)

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アクティブなシーンにも、静かなシーンにも。(画像クリックで拡大)

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日常の一コマに、さりげなく溶け込むクラフツマン。(画像クリックで拡大)