ETAショック

2010年のETAショックは、ケンテックスにも大きな影響を与えた。
現在のケンテックスは、日本製ムーブメントを搭載したモデルがほとんどだが、以前はスイスのETA製のムーブメントを搭載していたモデルが数多く存在した。

しかし、2010年のETAショックにより、ETA製のムーブメントの価格が跳ね上がり、ケンテックスは決断に迫られた。スイスブランドで歴史あるETA製ムーブメントを搭載するために価格を上げるのか、それに代わるムーブメントを搭載するのか。
「良い時計を適正な価格で」という自ら定めたポリシーに従い、性能やスペックではETA製にひけをとらない日本製ムーブメントに切り替えていくことにした。
そしてETA製ムーブメント搭載モデルは、ラインナップから消えていった。


デッドストック発見

私がケンテックス倉庫をうろついていると、見慣れない時計を発見した。
現在のケンテックスモデルにはない、小ぶりなサイズ。カラフルなダイヤルと革バンド。
そして裏蓋からは、金メッキされた美しいETA製ムーブメントが見えた。
サンプルかと思いきや、それはS122Mのデッドストックであった。

このS122Mというモデルは、非常に売れたモデルである。
ファッション時計のようでいて、作りや仕上げはいたって真面目で正当派。
控えめなデザインと価格とは裏腹に、腕におさまると強い存在感を放つ。
ETA製のムーブメントは、仕上げがとても美しく、スイスの時計作りの歴史を感じさせる。

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36mm径のケースは今となっては小ぶりなサイズ。リュウズはねじ込み式で、10気圧防水を確保。ガラスはもちろんサファイアガラス。(クリックすると拡大)

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金メッキされたETA2824。高精度のハイビートムーブメント。(クリックすると拡大)


価格はETAショック前

価格は当時の定価のままである。
今、ケンテックスがETA製ムーブメントを使って、このクラスの時計を作ろうとしたら、この価格では作れない。
あのころは良かったなぁと思い出させる価格である。

カジュアルな格好と合わせると本領を発揮するモデル。
丁寧に仕上げられたそのケースは、単なるファッション時計と一線を画する。週末が楽しみになりそうだ。

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シャンパルダイヤルと質感ある革バンドの組み合わせ。女性がつけてもおもしろそうだ。(クリックすると拡大)

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バンドが、このモデルの雰囲気を作る。(クリックすると拡大)

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ピンクダイヤル。ほんのりピンク色をしている。(クリックすると拡大)

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ピンクダイヤルと赤みがかった革バンドとの組み合わせは抜群。(クリックすると拡大)

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ダークブルーのダイヤル。光の加減で様々に表情を変える。(クリックすると拡大)

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ケースの仕上げにも細心の注意を払っている。(クリックすると拡大)

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ホワイトダイヤル。ちょっとフォーマルな感じだ。(クリックすると拡大)

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てっぷりとした型押し革バンドは高級感を感じさせる。(クリックすると拡大)

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ブレスバンドは最後の1本。革バンドとまったく異なった印象。(クリックすると拡大)

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バックルも手抜きはない。(クリックすると拡大)