2014.10.27

意匠、質感へのこだわり

みなさん、こんにちは。

クラフツマン25周年記念モデルの開発責任者の橋本直樹です。ケンテックスマガジンにご来訪いただき、誠にありがとうございます。

2007年のモデル誕生以来、「究極の実用性」をコンセプトにリファインを重ねてきたクラフツマンですが、今回発表する2モデルは創業から25年で培ったデザイン力と特殊技術をほぼ全て結集したといっても過言ではないモデルになりました。

その開発におけるストーリーを、私の方からご説明させていただきたいと思います。お伝えしたいことがたくさんありすぎますので、今回は、このモデルへ込めた意匠と質感への、私どもの”こだわり”について解説をしていきます。

まず、モデルのデザイン開発にあたっては、これまでの四半世紀のブランドの歴史を意匠で表現するために、この25年の間に使用してきた全ての特殊先進素材を随所に採用するという、”異素材の融合”をデザインコンセプトに掲げました。

ケース

ケースの全体意匠は、2007年に初代クラフツマンで開発したφ43mmのケース形状をそのまま受け継いでいます。
これは、日本人の感性に合う最適なサイズ感と、試行錯誤の中で行き着いたラウンドとやわらかな8角形を組み合わせたベゼルのデザインが、プレステージにふさわしいクラフツマンの血統そのものを表現しているからです。

今回のモデルでは、このベゼルの8角形部を別体構造として、ブラックのファインセラミックスとすることで、セラミックス特有の透き通るような奥行きのある光沢感が生み出されました。
また、機能コンセプトであるオールチタン外装をさらに進化させ、チタンの表面にプラチナIPコーティングを施すことで、耐傷性を高めるとともに、ケース・ベルト全体がチタン特有のくすんだ金属色から、プラチナの持つ輝白色の輝きへと進化を遂げました。
艶やかな光沢感のセラミックスと、プラチナの輝きをまとったチタンのコンビネーションは、正にプレステージにふさわしい高級感を醸し出すとともに、”異素材の融合”というテーマで究極の機能美を実現しています。

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ラウンド型とやわらかな8角形型を組み合わせたベゼルは、初代クラフツマンから受け継いだ、日本人の感性に合わせた意匠です。(クリックすると拡大)

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プラチナの輝きをまとったチタンと、艶やかな光沢感のセラミックスのコンビネーションは、”異素材の融合”の機能美を実現しています。(クリックすると拡大)


ベルト

ベルトも、ケース同様に全て純チタン素材にプラチナIPコーティングを施した仕上げになっています。
ケースラグの斜面から、腕に向かって流れるようにデザインされたバンド形状は、装着時のフィット感を向上させるための設計となっています。また、ベルトとケースは無垢チタンのエンドピースによってしっかりと固定され、装着時の腕元でのケースの安定感を、しっかりと感じることが出来ます。

さらに、ベルトのコマの両側に、一つ一つシャープな面取りと鏡面加工を施すことで、ベルト本体の筋目仕上げにに確かな高級感と存在感をプラスしています。

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ケースラグの斜面から、腕に向かって流れるようにデザインされたバンド形状は、装着時のフィット感を向上させます。(クリックすると拡大)

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ベルトのコマの両側は、一つ一つシャープな面取りと鏡面加工を施しました。(クリックすると拡大)


軟鉄スケルトン構造

耐磁や耐衝撃という実用性の獲得のために機能設計を追求していく中でも、デザインを犠牲にすることはあってはならない。むしろ、特殊機能があるからこそ出来るデザインがあるはず・・・
そんな想いの中で文字盤のデザインコンセプトを議論する中で、たどり着いた一つの解。
それは、耐磁構造のために必要な軟鉄インナーケース構造を、外側からも見えるデザインにしてしまうという、業界初の”軟鉄スケルトンダイヤル”の構想でした。

24時間365日、様々な外部磁場からムーブメントを守り続けている軟鉄インナーケースこそ、この時計を支える主役機能の一つであり、その存在を時計のオーナー様にいつも感じてもらいたい、というのが発想の原点でした。
通常は外側から見ることが出来ない軟鉄に、その頑強な耐磁性を強調した意匠を施しました。
クロノグラフの限定モデルでは、3・9時の両インダイヤルから、また3針のモデルでは、
文字盤中央の縦ストライプパターンの隙間から、眺めることが出来ます。

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3・9時位置のインダイヤルは軟鉄に型打ち模様を施し、デザイン上のアクセントとしました。(クリックすると拡大)

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3針モデルでは、縦ストライプのダイヤルの隙間から、サンドブラスト加工とガンブラックIPメッキを施した軟鉄を眺めることができます。(クリックすると拡大)


多層構造の立体文字盤

軟鉄スケルトン構造に加えて、文字盤はその複雑機構の時計を象徴するデザインとして、4層構造の超立体構成となっています。

1層目は軟鉄ベース、2層目はリアルカーボン、3層目は型打ちのBSプレート、4層目に立体ダイヤルリングと植字インデックスという複雑な構成は、コンセプトである異素材の融合を表現しながら、視認性まで計算に計算を重ねた設計になっています。

シャープな仕上げと高さのある植字インデックスは、金属片を一つ一つ削りだしたもので、瞬時の視認性と、衝撃時にもトリチウム管がインデックスから落下しないように配慮された設計になっています。

また、25周年記念のクロノグラフモデルでは、ダイヤルリングには、12時位置に創業した年である1989を印字。リング25分位置に配された△印によって、ブランドのこれまでの25年の歴史とこれからの未来を表現するデザインとしています。

さらに、、6時位置のインダイヤルに創設25周年を記念するアニバーサリーロゴが入るだけでなく、”25”分位置のインデックスだけゴールドカラーになっており、記念すべき25周年モデルである特別な限定感をさりげなくアピールしています。

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4層立体構造のクロノデザイン(クリックすると拡大)

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4層立体構造のダイヤルデザイン(クリックすると拡大)

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金属片を一つ一つ削り出したインデックスは、衝撃時にもトリチウム管が落下しないための機能デザインです。(クリックすると拡大)

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弊社が創業した年である1989をダイヤルリングに印字しました。(クリックすると拡大)

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25周年を記念して、25分位置のインデックスをゴールドにしました。また、ダイヤルリングにはこれからの未来を表現して△印を入れました。(クリックすると拡大)


裏蓋デザイン

サファイヤガラスのケースバックは、文字盤と同じく軟鉄の構造を存分に見ることが出来るスケルトン構造になっています。

3針モデルでは、軟鉄には001からスタートするシリアルNo.が刻印されます。また、機能美の象徴的な意匠として、車のハニカム構造からインスピレーションを受けてデザインされた、メッシュ構造のゴールドロゴプレートを軟鉄の上に配し、プレステージモデルとして、見えない裏側までこだわり尽くしたデザインとしています。
また、裏蓋を開けるためのスパナ溝は、自社の特殊スパナでなければ開けられない形状とすることで、アフターメンテナンスまで責任を持って自社で対応していく誓いを込めています。

限定のクロノグラフでは、裏に配するゴールドプレートに、1枚1枚職人による”雉(キジ)”のデザインが丹念に彫り込まれます。雉は日本の国鳥であり、Made in Japanのブランドとしての誇りを表現しています。
また、ゴールドプレートには創業者である橋本憲治のサインとともに、No.01~50までの限定シリアルNo.が刻印されます。

また、限定クロノグラフモデルでは、ステンレス製の付属ケースバックが付き、そこにオーナー証明となるオーナー様の名前が刻印されます。
この付属ケースバックは今後のメンテナンスのギャランティーとなり、メンテナンスの記録もこのケースバックに刻印されていきます。

このモデルは、機能やスペックの追求だけではなく、デザインにこだわりぬきました。
文字盤上のカーボンパターンは幾度と無く形状を練り直し、インデックス一つの形状でさえ議論とサンプル作成を繰り返してきました。
25年間、弊社を支え続けてくださったファンの皆様に、ご満足いただきたい、その一心で開発してまいりました。是非、実際に手に取って見ていただければと思います。

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軟鉄には001からスタートするシリアルNO.が刻印されます。また、裏蓋を開けるためのスパナ溝は、自社の特殊スパナでなければ開けられない形状とすることで、アフターメンテナンスまで責任をもって自社で対応していく誓いを込めました。(クリックすると拡大)

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クロノグラフでは、裏に配するゴールドプレートに、1枚1枚職人による”雉(キジ)”のデザインが丹念に彫り込まれます。(クリックすると拡大)

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3針モデルでは、機能美の象徴的な意匠として、車のハニカム構造からインスピレーションを受けてデザインされた、メッシュ構造のゴールドロゴプレートを軟鉄の上に配置しました。(クリックすると拡大)